ト イ レ
これは人間にとって、大切な場所である。 かといって、生きて行く為に絶対必要なものとも言えない。 しかし、出来れば清潔な場所、そしてプライバシーが保たれる場所であって欲しい。 旅行記を書く度に必ず“トイレ”の事を書いているので、一応極東ロシア編にも記しておく事にする。 “一応”と言うのは、さして驚くべき実態でもないと言う事である。
“ベトナムのように、頑張った先にブタが待ち構えているような場所は無かったし、中国のように、みんなで並んで…喋りながら、 という場所も無かった。” と書こうと思ったが、“あった!”のである。 場所は、ウラジオストック駅、プラットホーム上のトイレ。 残念ながら、女性用は故障中で入れず…わからない。 しかし、男性用は、個室に壁が無く、入った途端に、頑張っている人が丸見えだったそうだ。 う〜ん!
女性用は故障中だったので、駅構内のトイレに入ったが、入り口におばさんがしっかり座っている。一人1回2ルーブル(10円)。 “ケーブルカーが1ルーブルで、路面電車がタダで、何でトイレが2ルーブルなんだ!”と言いたくなる。 お金とる割には、鍵は掛からない!、便座も無い!、おまけに暗い! 便座の無いトイレは実に多い。あれは、かなり太股に力がいるし…下手をすれば、粗相しかねない。何故ないのか…。
トイレットペーパーも日本のような柔らかくて、白いものはどこでも見掛けなかった。薄茶でゴワゴワ! 新宿や池袋で、一往復するだけで、10個は手渡されるあのポケットティシュを一杯もらって、 プレゼントすればすごく喜ばれただろうなぁ…。
|
最 後 の 晩 餐
“最後の晩餐”というには大袈裟だが、今回の旅の最後の外食だし、手元にまだ、800ルーブル(4、000円)も残っていたので、 情報交換した男性から聞いていた、ウラジオストック駅の中のレストランに行く事にした。
このレストランは最近やっと、駅の修復と伴に出来たらしく、ガイドブックにも載っていなかったので、 彼らの情報が無ければ、わからなかった。 以前は、セルフサービスのカフェテリアだったところだと思われる。 彼らは、あのガイドをかってでたロシア人に連れて来てもらったのだが、情報通り、広々とした店内は、 さながら美術館のように美しかった。 ものすごくリッチな雰囲気になって再登場した様だ。 ただ、外からはそこがレストランとはわかりにくい。 もちろん“ресторан”とは書いてあるが…。 表にメニューなど出ていないので、もし彼らにだいたいの値段を聞いていなければチョット勇気が必要だったと思う。
広い店内に客は3、4組。英語のメニューもあるし、店員も片言の英語が話せる。これは非常に助かった。 シーフードのマヨネーズあえ、ボルシチ、マッシュルームスープ、ビーフステーキ、ロシア風クレープ“ブリヌィー”、 アイスクリーム&ブルーベリー、コーヒー、フレッシュジュースをすべてひとつづつオーダー。 “シーフードのマヨネーズあえ”のわたしのイメージは、えび、蟹、イカなどがいろいろ入っていると思っていたのに、 柔らかい貝類(アワビ?)一種類だった為、再度、蟹のマヨネーズあえもオーダー。
8時半過ぎ頃から、生バンドによるロシア名曲の演奏と歌。 バイオリンとギターの演奏による、よく日本でも知られた歌が、ルネッサンス風の絵画が描かれた天井にこだましてとても素敵だった。 一曲終わる度に拍手をすると、歌っていた女性がとてもうれしそうに“スパシーバ”と言う。 インドのホテルのレストランみたいに、日本人を見つけると、“さくら”を演奏することもなく、ごく自然だ。 30分ぐらいの演奏時間が終わって、そばを通ったら、チップを渡そうと思っていたのに、“スー”っと、横のとびらから出て行ってしまった。
ロシアには、基本的にチップの制度はないそうだ。 これは、チップに慣れていない日本人にとってはとてもありがたい事だ。 アメリカなどでは、チップが賃金の一部となっているので、それ相当の額をあげるのが当然のだし、金持ちからは、 どんな手段を使ってもチップを一杯稼ぐ国もかなりある。 ここロシアの人は、チップに関してはあまり慣れていないせいか、少額でもすごく喜んでくれる。 ハバロフスクのレストラン“ロッシー”には、2度行ったが、私たちの世話をしてくれた女性に、たった10ルーブル(50円) 手渡しただけなのに、嬉しそうにしてくれた。
チップとは、よくサービスしてもらったお礼の気持ちとして渡すものであって、支払った代金の何パーセントを払うべきと 決められている国は、その点に関しては好きではない。 それなら初めから、サービス料として上乗せされている方がまだいい。
話は戻り、最後の晩餐はゆったりとした気分で、ゴージャスに終わった。 しめて合計約600ルーブル(3、000円)。 あー贅沢な食事だった。 え!!安いって? むふっ!
10時を過ぎるとやはり、暗い。 ホテルまで少しの距離なのに殆ど街灯はない。 ここで、“金を出せ”っと言われたら…こ、こわい! 何と言っても、私たちの海外旅行で始めて、すべての貴重品を持ち歩いていたので。 普通は、すぐにセーフティボックスにパスポートをはじめ、帰りの航空券、日本円を預けているのだが ロシアではパスポートは携帯してないと、警察官にすぐ連行されるか罰金を払わされるとガイドブックに書いてあったので…、 プラス、フロントに英語が通じず、そんな事頼める雰囲気ではなかったので。
無事ホテル着。 これで、明日の朝、空港までのドライバーさんがきちんと来てくれたら、あとは帰国の手続きだけだ。 帰国便のリコンフォームも午前中にホテルの部屋から済ませていた。 ただ、このリコンフォームもそう簡単じゃなかった。
B社が記載していた電話番号に電話したら、ロシア語オンリー。 粘っていたら、やっと、英語の話せる人が出て来て、 「一時間後に掛け直してくれ」と言う。 そんなばかなぁ〜。
すぐに観光に出掛けたかったので、また粘ると… 「じゃぁ、この番号に」と言って電話番号をくれたのだが、そこに電話してみると、「ここでは、リコンフォームは受け付けられないので、 予約センターに」っと言いまた違う番号。この番号で、やっと、受け付けてもらえた。
「ミヤモト、エブリシィング ノー プロブレム」と聞いて一安心。 しかし、このノープロブラムが時にはプロブラムなので、しっかり、名前を聞く。スペルも。 これは、私の仕事上とても慣れている!
ふぅー!! あれ? 受話器を置いてから、ふと疑問が…。 普通、リコンフォームの時は、宿泊先、もしくは、フライト前日の連絡先を尋ねられるもんだ。 これは、フライトスケジュールが変更になった時などに知らせる為なのだが…。 あー、聞かれなかった…。 もういいやぁ!!
|