********* P E C T O P A H ********* 

 

PECTOPAH・・・・・  ロシアに行ってこの意味がわからなければ、大変苦労します。

何の意味だか想像できますか?

ロシアのアルファベットが少しわかってくると簡単ですが…

 

英語のRに当たる発音がロシア語ではP、SはC、NはHです。

つまりこの単語は、英語と殆ど同じ発音でレストラン(RESTAURANT)

英語と同じなどと言ったら、フランス人に怒られそうですね、そう、もともとレストランはフランス語なのですから。

 

街中で、“PECTOPAH”は見掛ける事はあっても“RESTAURANT”はどこにもありません。

KaФeは何となく分かりますよね。喫茶店(Cafe)です。

ロシアは英語ではRUSSIAですが、ロシア語ではPOCCИЯ。

 

発音が英語と似ているものは、ロシアのアルファベットを英語風に読み替える事によって理解できますが、それはほんのわずか。

数字の1、2、3は、アジーン、ドヴァー、トリィー。

何となく世界中で通用しそうな、オレンジ、メロンは、アベリスィーン、ドィーニャ。

 

とても観光客にとって重要な単語“トイレ”は“トゥアレート”チョット似ているので簡単です。

“グジェ トゥアレート?”で“トイレはどこですか?”の意味。

ロシアに旅行しようと思っている人には、是非簡単な単語と数字ぐらいは覚えて行く事をお勧めします。

今回の旅行ほど、トラベル会話集が役立った事はありません!=使わざるをえませんでした。 はい!!

 

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D社を後にして向かった所は、教えてもらったばかりのレストラン。

しっかり場所も名前も教えてもらったのに、それらしきものが見当たらない。

何人かに聞くと、通り過ぎたある建物という事が判明。

それにしてもロシアのレストランは、表にメニューやサンプルが置いていないどころか、外を通っても分からない場合が多い。

レストラン“ロッシー”も例外ではなかった。

階段を下りて、半地下の様な所だ。扉なんか、重厚過ぎて看板も無いので、思わず「ここ倉庫かなんかだよ、違うよ」

と一度は引き返してしまった。

しかし、一度中に入るとそこは別世界の様な、きれいなレストランだった。

 

きれいなウェイトレスさんが持って来たのはやはりロシア語のメニュー。

でも少しの単語なら英語が分かったので、ボルシチ、ピロシキ、肉料理、コーラ、リンゴジュース、コーヒーを全部一つずつ注文。

あ、ピロシキは3個だが。

私たちにとって、この一つずつというのは重要なポイント。

もともと少食だし、同じものよりも違うものを少しずつ食べた方が美味しく感じられるからだ。

どれも美味しかった。ピロシキは想像していたのとはちがい油で揚げていないものだった。 合計220ルーブル(1、100円)。

 

ここのレストランは観光客、それも日本人向けにどうもつくられたとしか思えない。と、言うのは、ハバロフスク駅で会った、

日本人とロシア人の通訳御一行とここで偶然にもまた会ったからだ。

その他にも、ロシア人ガイド付きのグループもいたし、味付けも醤油をかなり使っているような気がした。

つまり、日本人好みの味付けをしている様だった。

本当のロシア料理とたとえ味が違っていたとしても、まぁ、美味しかったのだからよしとしよう。−という訳で、翌日もここへ食べに来た。

 

 

ア ム ー ル 川 遊 覧 船

 

ハバロフスクで是非これだけは乗ってみたかった。

川の水は特にきれいでもなく、川というよりも海の様に広い幅なのだが、乗り物好きの私としては、見逃せない。

別に遊覧船でなくても、対岸に渡って戻ってくるだけでも十分だった。

 

船乗り場に行ってみると、見た事のある御一行がいた。

“LOOK JTB”の旗を持った20人ぐらいの一団。

確か、新潟空港で“ハバロフスク4日間の旅”というカウンターがあったのでその団体だろう。

船の入り口に胸にカタカナで書かれた大きなネームプレートを付けたロシア人ガイドが3人もいたので、

「この船、一緒に乗れますか?」と聞くと、

「ここから乗ると現金でいくらもらったらいいのか確めなくてはいけません。たぶん、15ドルだと思いますが」

 

“15ドル(1、800円)”…………すぐに、身が引いた。

もちろん日本のB社(3、000円)、インツーリストのホームページでは、18ドルだったのでそれが妥当でしょう。

しかし、もう既に、ロシア価格が身に付いてしまっている私たちにドル表示の価格は入り込めない世界だった。

 

すぐに隣の船に行く。

いくらかよりも、どのぐらいの乗船の長さなのかがこの場合重要だ。

まかり間違っても、1泊2日の旅にでも連れられていった暁には、笑い話では済まなくなってしまう。

でもジェスチャーとアジーン チャス(1時間)という言葉で、往復で1時間だという事がわかり、乗り込む。

“え! いくらか聞かなかったのかですって?”

安いに決まってますよ!

 

2階のベンチ席に落ち着いてから、回りの人に

「スコーリカ ストイート(いくらですか?)」といってノートを渡す。

“XXXXXXX 10PRXX”と書いてある。

もちろんXXXは読めなかった文字だ。

でも、当然顔はほころぶ。

だって、往復で一人10ルーブル(50円)だったんだもん!!

隣の同じような日本人団体の船の一員にしてもらわなくてよかった! ムフッ!

 

可愛いロシア人少年の隣に座る。

彼は、15歳。高校1年生。お母さんと一緒に、ハバロフスクのお母さんの友達の所に遊びに来ている所だった。

初めは、ロシア語でやり取りしていたのだが、彼が少し英語が話せる事がわかり、途中から英語になった。

「チャイニーズ?」「ノー、ジャパニーズ」

親子共々首を振ってうなずく。

「東京、知っている?」「うん」当然の様にうなずく。

次に、彼に、世界地図を見せて、どこが日本かわかる?

「……………」

そんなもんだろうな! 小さな島国を指差して教えてあげた。

午前中は、ものすごく涼しい!

なんか“ルンルン”気分になる。もともと朝は元気一杯なのだが。

しかし、2時を過ぎると、気温が途端に上がってくる。 だらぁ〜…。

湿度は余りないので、日陰は涼しいのだが…。

 

よくツアーで使われるインツーリストホテルに行ってみる。

たいしてきれいでもなく、どちらかと言うとロビーは暗く感じた。

ただフロントに

「タクシーでレーニン広場までどのぐらい」と聞いたら、

「5分ぐらい」「いくらぐらい?」「交渉しないと…」

「ロシア語?」「ドライバーは数字とドルは英語で言える人が多いです」

と、スムーズに会話が進むのはありがたかった。

でも、これでタクシーは乗るべきものでないという事を確認した。 

ドル払いなんて、外国人は“いいかも”に決まっている。

もともと、ここハバロフスク市内には路面電車の他、バスも多数走っているので、わざわざタクシーに乗る必要もない。

 

 

国 際 電 話 に 挑 戦

 

以前は、海外から電話を掛ける事なんて考えもしなかった。

“連絡がないのが無事な便り!”

しかし、K社に国際電話のオペレーターとして就職して以来、国際電話については、めっぽう強くなった?ので、

海外からもK社のラインで繋がるか試してみたくなった。

上海の公衆電話では、普通の人がトライするのは大変だと思ったし、ホテルからは、日本の自宅の呼び出し音がなったのを確認して

“よし!”と思って切ったが、しっかり電話使用料を取られていた。

 

今回は、事前にK社のサービスが受けられる場所を控えていたので、ハバロフスクでは高級な“サッポロホテル”まで足を運んでみた。

このホテルは、名前の通り、日本が出資して建てられたホテルで、中には住友商事の支店も入っている。

隣接している“レストラン さっぽろ”も日本料理の店であるが、ホームページのある人の旅行記には、昼食に“カツ丼、テンプラ、刺身

、ビールなどを頼んだら、一人当たり、6,000円かかった”と書いてあった。

海から離れているハバロフスクでわざわざ刺身を食べる事もないとは思うが…。

 

 

*******ここでK社の海外からの電話サービスについて********

主に2種類のサービスがある。

 

 

一つ目は、“ジャパンダイレクト”と言い、海外から直接私たち(日本のオペレーター)を呼んで、

料金日本払いのコレクトコールを申し込む方法。

この時自分のクレジットカードで支払う事も出来るが、このジャパンダイレクトはとにかく高いという事を頭に入れておかなければならない。

自分の会社のサービスを高いというのは、残念だが、高いんだからしょうがない!

二つ目は、“スーパージャパンダイレクト”といい、何が違うかと言えば、オペレーターを通さずに自分でクレジットカードの番号などを

機械の音声に従って、操作するので、“料金は安い!”という事だ。

“料金は安い!”と書いたのは、“操作は慣れてないと難しい!”という事だ。

 

従って、たまにしか来ない海外なのだから、

“旅行代金に比べれば、大した事ないよ! オペレーターに繋いでもらった方が安心だし、面倒じゃない”と思える人は、

どうぞジャパンダイレクトへ。

外国語ばかりの中で、日本語が電話の向こうから聞こえてくるのは、心強いですよ!

“とんでもない! これ以上お金は使いたくない!”

という人は、頑張ってスーパージャパンダイレクトへGO−!!

 

後者の私は、残高が残っていたスーパーワールドカード(プリペイドカード)で我が家にトライしてみる事にした。

“え? 我が家は留守じゃないの!”

いいの! “トライ”ですから。ヘヘっ!

ところが、

「この電話番号はただ今ご使用出来なくなっています」というアナウンス!!

“ど…どうしたんだ。。。まさか、火事、地震???”

すぐ、ジャパンダイレクトに掛けてみる。

「すみません、今ロシアからスーパージャパンダイレクトで掛けたんですが、かからないのですが…」 よくある質問だ!

「少々お待ち下さい、案内担当に代わります」 あ!新人だ。

「担当変わらせて頂きましたが、テストダイヤルしてみていいですか?」

「はい!」

「今は、普通に呼び出し音がなっていますが…、何回かお試しになりましたか?」「い、いいえ…」

“あ! しまった! 一度しかしてなかった…”

「では、もう一度お試しいただけませんか?それでもかからないようでしたらまた御相談下さい」

 

そう、そう、いるんですよね、自分で番号間違えておいて、かからないもんだから、すぐオペレーター呼ぶ人が!! オイオイ、自分だ…

ふと、時計を見ると、私の勤務時間帯だった。知っている人が偶然出たら、思わず声を変えていたりして… ばれるわけはないが!

あっ、ちゃんと休暇届けは出してますよ!

この旅行の為に一日も休まず、有給取っておいたんだから…

(有給がないとこの時期休むのは、非常に大変!、シビアな会社なんだ実に…)

 

再度トライ! ヘヘーン、ちゃんと鳴っている。

ここで良心が、“トライだけだなんて…、かけてみたら!”とささやく。

 

そこで、姉の家へ。めったに電話に出ることのない義兄の声。

今、私たちの母が兄の家に向かっている所とのこと。

そ…そうだ、初盆だ父の。父の遺骨を姉の家の近くのお寺に預かってもらっているので、そのお参りというわけだ。

“パパ、安心して下さい。無茶はしてませんよ、元気ですよ。忘れてはいないですよ。帰ったら、ちゃんと行くからね!”

 

あっと、言う間にカード残高がなくなった…。

そう、スーパージャパンダイレクトでも、決して安くはありません。

まぁ、一か所でもちゃんと、K社のサービースが受けられる電話を確認出来て満足した。

 国際電話は、親切なオペレーターが24時間対応してくれるK社をヨロシク!!

 

 

 

メイン通りをぶらぶら歩く。

商店はあるものの、クーラーが無いので、外よりも蒸し暑い。

それに、特に目新しいものもないし…。

ちょっときれいなパン屋さんで、ハンバーガー、ピロシキ、肉マンを買う。

合計22.8ルーブル(114円)。表示されている価格の合計より、0.3ルーブル高い。多分これは電子レンジで暖めた

代金だろうと勝手に思う。

“電子レンジ”はとてもよく見掛けた。一般の家庭にまで普及しているかどうかは疑問だが…。

 

建物の前にある階段に腰を下ろして食べる。

“そんなとこに座っている人はいるのだって?” いいの、疲れたんだから!!

 

“地球の歩き方”片手の日本人男性2人組だ。

あっ、さっきの…。

そう、私たちが、アムール川の船から降りた時、

「この船乗れるんですか?」

「1時間でしたよ、往復で」とだけ言葉を交わした2人組だ。

 

彼らと道端に座り込んで、旅の情報交換会となった。

日本人によく会う国や、ガイドブックなどがいっぱいある観光地などでは、お互い日本人だとわかっても、

あまり目を合わせないものだが、ロシアの様な情報が少なく、あったとしても古かったりして役立たない国では、

フレッシュな情報に飢えるものだ。

 

彼らは、12日に新潟からウラジオストックに渡り、2泊した後、シベリア鉄道でハバロフスクに来たところだった。

つまり殆ど、私たちの逆コース。

 

ウラジオストックでは着いた日に、日本語を話すロシア人から声を掛けられ、次の日もずっと一緒に案内してもらったそうだ。

とても美味しいロシア料理のレストランに連れて行ってもらい、楽しかったそうだが、最後にやはりお金を要求されたとのこと。

 

“やはり”と書いたのは、私たちの経験では、どこの国でも向こうから日本語で話しかけてきてガイドをしてくれる人は、

お金が目的とわかっているから…。

残念なことだが、観光地ではしかたがない事だ。

 

「それでいくらって言われたの?」

「一人普通は100ドルだけれど、76ドルにしとくって…」

どうしてその半端な数字が出て来たのかは疑問だが…

「え…払ったの?」

「いやぁ、“そんな約束はして無い!”と言って2人で60ドルだけ…、まぁいっぱい案内してもらったので一人3、000円

ぐらいならいいかなぁって思って…」

まあ、妥当な線かなぁ…と思った。

ただ、すべてのレストランの代金ももちろん彼らが出しているわけだし、2人で30ドルでもよかったかなぁとも思う。

日本と10倍以上の貨幣価値があるわけだし、何も約束して無いわけだから。

 

私たちなら、初めから思い切って、「ガイド料いくらですか?」って聞いたと思う。後で嫌な思いをしない為にも。

ずっと前、中国で話しかけてきたおじいさんにも、「いくらお支払いすれば、案内していただけるのですか?」

と思い切って初めに聞いたら、

「お二人なら10元頂いております」とすぐ答えがきた。

 

その当時で確か200円ぐらいだったと思う。

その後、遊覧船の切符を買ってもらったり、お昼を一緒に食べたりして、かなり時間を取らせたので、別れる時、 

「少ないですが…」といって50元渡したらとても喜んでくれた思い出がある。

 

インドのリキシャーを半日借り切った時もそうだった。

借り切ったというよりも、彼が勝手に私たちを待っているのでそうなったのだが、初めに言われた額の2倍を払ったら、

嬉しそうに手を振って帰って行った。

 

人と別れる時には、お互いに笑って別れを惜しみたい。

その為には、海外で、日本語での案内をかってでる人に対しては、それなりの心積もりが必要だと改めて今回も思った。

 

ただ、日本語ガイドを旅行会社を通して、依頼すれば、それこそ1時間で30ドルぐらいするので、考えようによっては、

素晴らしい申し出となるかもしれない。

もちろん、正式なガイドでは無く、大学の日本語学科で今日本語を習っている学生がウラジオストックの場合は殆どの様なので、

どこまで知識があるかは疑問だが。

言葉を喋れる事と、観光ガイドが出来る事とは全く違うので。

もし私が、「このお寺はいつごろ建てられたのですか?」

「何故、お寺では手をたたかないのですか?」「鎌倉の人口は?」

「……………」すべてパス!!

でも、私なら無料で連れ回す事ぐらいは、暇だったらしてあげる!

逆に、英会話レッスン代払ったりして…。

 

この2人からのウラジオストックのレストラン情報はかなり役立った。

幸か不幸か、この後私たちの前に日本語を話すロシア人は現れなかったが…。

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