ト ル コ 入 国

 

 一夜明けてモスクワの空港に戻ってみると、夜中に他国から到着して次のフライトを待っている人が結構いる。

夜中に到着してホテルに行けなかったのか、節約して行かなかったのかは知らないが、しっかり寝袋に入っている人もいる。

日本からフライトを予約した場合でもホテルを予約しないで、空港に一晩寝ることができるのだろうか?

 

 一人一泊6,000円して、ただ寝るだけなら、バックパッカー族なら空港で寝たいという日本人もいるのではないだろうか?

まだイスタンブール便まで3時間もあるが、何もすることがないので、椅子に座ってホテルから貰ったパンなどを食べていると、近くに座っていた西洋人のカップルが、“ちょっと荷物を見ていてくれ”と言う。

まったく喋ったこともない東洋人によく頼めるなぁーと思いつつ、そのリュックサックをしっかり見守る。

なんだか、“うれしい”。多分これは、私たちが、信頼されていると言う事と、丁寧な英語で頼まれたからだろう。

暫くして、彼女達が戻ってきて、これからイギリスに帰国すること、3週間ネパールを旅行していたことなどを聞いているうちに、やっと私たちのイスタンブール便出発の時間が来た。  

 

 

*入国審査

 普通、飛行機の中で、出入国カードが配られるのだが、その様子もないので、スチュワーデスに聞いてみるが、

「We don´t have」。

イミグレーションの所に置いてあるだろうと思っていたが、無し。並んでいる一組の日本人に聞いてみると、トルコは要らないと言うのだ。

十数ケ国行ったが今までそんに所はなかったのに。

それどころか、税関申告書も、税関審査もない。あっというまに入国手続きが終わった。

 

 

*両替とトルコのインフレ

 一人100ドルを両替する。100ドル=910万TL(トルコリラ)。

日本で1ドル=114.5円で両替してきたので、日本円に計算すると、 1 円 = 7 9 5 T L 。

しかし、円の表示に、803と言う数字が…。

つまり日本円から直接トルコリラに両替した方が、1円に付き8トルコリラ得だった。

ちょっとガッカリ。

最近海外旅行には痛手の円安になっているので、ぎりぎりまで待って、銀行でドルに両替してきたのに…。

1年前の夏、1ドルが80円代だったなんて信じられない。

しかし、トータルして考えれば、円を直接トルコリラに替えられるのは大都市ぐらいだから、ドルにしたのは正解だった。

 

 ホテルでは、100ドル=870万TLぐらいとレートは落ちる。一番レートが良いのは、両替屋のようだ。

これは、“チェンジマネー”と言ってくる怪しい人ではなく、街にある銀行のようなところで、100ドル=930万TLぐらい。

 しかし、本当にトルコのインフレは凄い。1年前と比べると貨幣価値が、半分ぐらいになっている。

ガイドブックもトルコリラ表示では、役に立たないので日本円も併記して書いてある。

どんどん貨幣価値が下がっても、それに負けないスピードで物価も上がっているので、日本人旅行客はあまり得した気分にはならない。

こんなに貨幣価値が下がるのならば、中国のように金貯蓄でもしているのかと思い尋ねてみると、インフレ率が預金レートにも連動しているので銀行に預金していても心配ないそうだ。

 

本当にそうなのだろうか?

しかし、お札のゼロの数に慣れるまでには数日掛かった。

空港の高い缶ジュース1本=100,000TL。10万トルコリラと言うのは125円。

つまりトルコリラからゼロを3つ取り除いて1.25倍すれば、日本円。年末あたりには、1円=1,000TLとなっているだろうから、単純にゼロを3つ取り除くだけで良くなるだろう。

しかし、1年後には、またややこしくなっているだろうが…。

この多すぎるゼロのせいで、一桁間違って買い物をしてしまう人も多いようだ。おおこわっ!

 

*イスタンブール→イズミール

 

 明日からの3泊4日のツアーに備え国際線から国内線へ乗換えトルコ第3の都市イズミールへとすぐ移動する。

国際空港の出口には、日本のS旅行会社が依頼した現地の旅行会社M社のアシスタントが、国内線のチケットを渡しに待っていた。

2人で待っていてくれたが、英語を勉強中の彼等からでた日本語は、「宮本さんですか?」だけだった。

初めから、日本語が喋れない人がくることは知っていたので、驚きもしなかったが。

チケットを受け取り、彼等のなかなか年気の入った車で国内線の空港まで送ってもらう。

シャトルバスで行くと思っていたのでラッキーだった。

 

 イズミール便までかなり時間があったので、空港の売店で、1枚2万TL(25円)の絵葉書を買い、両方の両親へ送付。日本まで切手代1枚=6万TL(75円)。

イスタンブールからイズミールまでは1時間余り。

あっという間だ。ただ乗る時にちょっとびっくりしたのは、飛行機の席に着いてから暫くして、スチュワーデスが私たちのところにきて、降りてくれと言う。

“満席だねぇ”なんて言っていた時だったので、急に乗らなければならない人でも出て、代わりに降りてくれと言われたのだったら、嫌だぁ〜 とびびっていると、「英語分かりますか? 降りてあなた方の荷物を指示していただけませんか」と言うのだ。

やっと事態が飲み込めた。

そう言えば、飛行機に歩いて乗り込むとき、大勢の客が、ズラーット飛行機の前に並べられた荷物の中から自分のらしき荷物を指差してカートに乗せてもらっていたが、

「何やっているんだろうねぇ? チェックインしたときに預けた荷物が乗せられないはずないじゃない!」

と思い、私たちは、早々と飛行機に乗り込んでいた。

 座席に戻ってからとなりの人に聞いてみると、“爆弾物防止のため”と言う。

なるほど、荷物を預けた後に、本人が飛行機に乗らないで、その飛行機を爆発させるなどのテロ防止なのか!と納得

しかし、その後現地のガイドにその話をしたところ、単なる荷物確認だと言われたが。

 

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