イ ズ ミ ー ル

 

 イズミールに無事到着。空港の前から出ている市内行きのバスに乗込む。

ガイドブックによると、8万TL(130円)と出ている。

半年前の価格だから10万TLぐらいかと思っていたら、20万TLと言われてビックリ。

日本円にしても250円。

もしかして、“ぼられているのでは…”と不安になったがチケットの20万という数字を見て納得。

 

 バスの車窓から見える家々はそれだけでガイドブックに出てきそうなほど新鮮だった。

30分程で市内に到着。

 そこからホテルを探しながら15分程歩く。

大体の見当はついていた。

しかし、やはりスーツケースにしなくて良かったと思う。10日間2人分の荷物だから1個のスーツケースにまとめた方がいいか迷ったのだが。

トルコの歩道事情は、日本以上に悪く、その上をゴロゴロ引っ張ったらいっぺんにボロボロになってしまう。

 2年前ソウルでスーツケースを買ったのだが、カナダで1度使っただけで、後は期間も短いこととアジア地方だったので使わず、結構綺麗なままなのである。

レンタルスーツケースの人は気にすることもないが。

まあしかし、スーツケースで旅をする殆どの人は、ちゃんと送迎の人もいて、自分で荷物を運ぶ必要もないだろう。

 

 日本からの予約確認書を手に汽車のバスマネ駅近くのホテルHisarへ到着。

ちょっと古い感じだが、場所は便利な所だし、寝るだけなので充分。

 

 荷物を置いて早速街を探検。

日が長く7時ぐらいまで明るいのは助かった。

バスマネ駅の構内にいって汽車を覗いたりしているうちに暗くなってきた。

 どうも街全体が大都市と言われる割りに暗いのは、日曜日だったせいだ。

それでも海岸沿いのレストランはかなり営業していた。

中でも、大音響を響かせてディスコのような店が多いのには驚いた。

歩道で水パイプを吸っているおじいさん達もよく見掛けた。

ここの海がエーゲ海と言われても真っ暗で何も見えない。

 

 

*初めての食事は…

 

 当てにしていたロカンタ(トルコ語でレストラン)が、潰れたのか、改装中なのか、やっていない。

うろうろしていると、歩道上にテーブルを並べた3軒続きの店があり、とても盛上がっている。

行ってみると、みんな歩道に置かれたテレビのサッカー中継を食い入るようにして見ているのだ。

家にテレビは在るが、外食をしながらみんなで応援に夢中と言うわけだ。 

 そのロカンタでジュージュー焼いているシシケバブの匂いに誘われて、私たちもテーブルについた。

が…、ボーイさんはみんな忙しそうでだれも来てくれない。

こちらから声を掛けると、これがなんと、英語が全然通じない。

“ロカンタでは少しは通じるだろう,観光地だし”という楽観的期待は、初日にして吹き飛んでしまった。

 

しょうがないから現物を指さして、ミックスグリル2皿を頼む。 

後ろのテーブルに座っていた男の人が「May I help you?」と声を掛けて来た。

神様の様なその一言でチャイ(トルコの紅茶)も頼んでもらった。その人は、やはり声を掛けてくれるだけあって、絨毯屋さんだった。

でも、私たちが、その気のないことと、時間のないことが分かると、

「No problem」といい、あとは、私たちの面倒を見てくれた。

 そうこうしているうちに、目の前に突然現れたパンの山に呆然としてしまった。

 

“一体どうしたら2人しかいないのにこれだけ食べれると言うんだ”

 

というぐらい山になっていた。

他の国で、食べなくても、机に出されたものは、料金を支払わされた経験を持つ私達は、直ぐに後ろの絨毯屋さんに「多すぎる」と言ってもらった。

絨毯屋さんもボーイさんも“なんで、そんなことを気にするのかなぁ”と言う表情をしていた。

その後も、ミックスグリルしか頼んでないのに、たくさんのトマト、玉ネギのスライス、クレソンみたいな野菜が机の上を占領した。

 しかし、ミックスグリルのシシケバブはとてもおいしく、ラム肉が日本でイメージしていたのとは全然違うことが一遍で分かった。

 

 その後、アイランと言うヨーグルトドリンクに塩を入れたような味のものを頼んだが、甘いヨーグルトドリンクは好きだが、このしょっぱいヨーグルトドリンクは、私の口には会わなかった。

 

 お勘定を頼むと、小さな紙を2つ折りにしたものを持ってきた。

そこには75万TLと書かれていた。

明細が知りたかった私達は、後ろの絨毯屋さんに尋ねると、その2つ折りにした紙を広げた。なるほど、中に明細が書いてあって、ミックスグリル1人30万TL、アイラン4万TLと教えてくれた。

私たちがあと頼んだチャイとサービス料で75万TLと言うわけだ。

 

 では、パンとあの野菜軍団はと言うと、パンはトルコではサービス品とのこと。

それで、“減らしてくれ”と言う意味が、分からなかったのだろう。

しかし、山のように残ったパンはどうするのだろうと尋ねると、また次の人に出すと言うのだ。

日本では、とても考えられない。

もしかして、食べようとして、やっぱり止めて戻したパンもあるかもしれないし。

 確かに食卓にパンが山盛りになっていたほうが、豪華?かもしれないが、足りなかったら貰う日本のシステムのほうが衛生的であるのは言うまでもない。

それを聞いてから、トルコにいる間、よーくパンの山を観察すると、下のほうにあるパンのほうが柔らかかったりする。

上に古いパンを乗せるためだろう。

これは、日本のスーパーでも、日付の古い物を手前に並べるのと同じ原理だ。

 野菜軍団は、肉料理を頼むと自動的に付いてくるのだそうだ。

これは、健康的な食生活だ。トルコには野菜嫌いの人はいないと言うから凄い。

 

 とてもおいしかった。

一人あたり約500円。観光地値段としては、普通だろうか?高くもないが、そんなに安くもないと言った印象だった。

 

 ちなみにそのロカンタは、KILIMホテルの向かい側のTOPCUNUN YERIと言う。

 

 

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