北朝鮮の人々を望遠鏡で…

オドゥル山展望台

こんな名前、前回ソウルに来た時も聞いた事もなかった。

少ない出発までの時間でインターネットで情報を見ていたとき、「北朝鮮と川ひとつ隔てた場所に展望台があり、そこからは望遠鏡で北朝鮮の人びとが農作業したりする光景が見える」とあった。

これは、絶対主人が行きたがる場所と確信。…というのも、いつも北朝鮮のあの人間業とは思えないマスゲームなどをテレビのニュースで見るたび、「見てみたい!!行ってみたい!!」と言うので。

昨年の9月に北朝鮮ツアーの参加する予定だったのに、釧路への転勤でキャンセルしたのでなおさら北朝鮮への思いは強い。でも、この思いは、もちろん思想的なものではなく、単に秘境探検ムード(^^

北朝鮮以外で主人が今行きたい場所が、ブータン、カンボジア。

普通の感覚からは考えられない場所かもしれない。でも、7年前「えー!何でべトナムになんか行ったの?」と不思議がられたけど、今なんかブームだもんね。先見の目あり?(^^

「板門店」は北朝鮮と韓国の間にある有名な場所で観光客も多いが、これはツアーでないといけないし

土日はそのツアー自体もないので、今回は無理。でも、この展望台は、自力で行けそうだった。

 

朝、8時にホテル出発。ソウルの駅まで地下鉄を乗り継いで約30分。

ソウル駅は、ワールドカップの準備かあちこちにインフォメーションがある。日本語のパンフレットも豊富だ。何より驚くのは、どこでも日本語を話せる人がいる。

オドゥル山展望台へは、汽車で1時間の「金村」まで行き、そこからバス。この「金村」まで行く列車は1時間に1本しかなかった。まぁ、列車の旅とは言っても、汽車賃が140円!! なんて安いのだろう。地下鉄も30分乗っても60円。他の物価は日本の8割なのに公共の交通機関がこれだけ安ければ外国人にとってもとてもありがたい。

 

汽車からの景色はと言えば…これがいつまで経っても田舎にならない。

最近釧路に住んでいるせいか、ちょっと車に乗ったり汽車に乗ると人家が無くなるのを見ているせいか旅気分にはならず、東京駅から埼玉にずっと移動している感じ()

でもさすがに「金村」に近づくとそれなりの田舎にはなって来た。駅から歩いて5分ぐらいのところにバスターミナルらしきものがあり、そこで「オドゥル山展望台」まで行くバスを30分待つ事になった。

 

乗るバスを探したり、乗ってから大事な事は、ガイドブックの写真を見せて「ここに行きたいの!」と主張する事が大事。特に車掌に印象付けておけばだいたい降りる時に教えてくれる。

韓国語もハングル文字も全くわからない場合は、これしかない。

でないと、永遠にバスに乗っている羽目になる。ガイドブックの情報を鵜呑みにしてはダメ。情報は刻々と変わっていて、ガイドブックに「終点で降りる」なんて書いてあるからといって、安心して乗っていると、

路線延長で終点ではなかったなんて言う目に合う。

かなり昔、北京駅で上海行き寝台列車にプラットホームが変更になった事を知らずに「時間になったのに

まだ汽車来ないねぇ…。やはり中国は時間に曖昧だねぇ…」なんてのんきな事を言っていて、

「残念ですがあなたたちの汽車はもう出てしまいました」「・・・・」という苦い経験をしてからは、石橋をたたいて渡るようにしている。不安な時はすぐ尋ねる事。これが大事。それにこの確認作業によって結構現地の人とのコミュニケーションがとれたりするのも面白い。

 

「オドゥル山展望台」は立派な建物だった。

ホームページの情報通り、外国人用の部屋での説明は何故か日本語のみ。望遠鏡から見える北朝鮮の家々は韓国側から見られることを意識して、この展望台が出来て以来新しく建て直されたとの事。

確かに農作業している人が見えるし、北朝鮮からのなにやらスピーカーで流される宣伝放送も聞こえる。

中には、北朝鮮の物産品の売店もある。この中の食堂で昼食。中のメニューはハングルのみ。

外国人はここで食事はしないのかなぁ…。ツアーで来た人は他の場所で取るかもしれないが、私たちは朝ホテルを出てここにたどり着いたのはもう昼過ぎなので、お腹がさすがにすいていた。

 

メニューが読めなくたってどうってことはない。おいしそうなものを食べている人のところに行って

紙とノートを出して「これなんですか?」て指差して書いてもらって、それをオーダー。

いやぁ、実に簡単でしょ。確実に食べたい物を食べれる。・・・で、カルビタンとビビンバ

おいしかったなぁ。会計も実に明白。合計10000ウォン。約1000円。

日本だったら、980円ランチだの、1980円とかちょっと安く見えるような値段設定が多いけど、韓国は殆どどこでも5000ウォン、20000ウォンなどきりがいい。消費税もないし、チップもいらない。うーん、日本は韓国よりもめんどくさい国に思えてきた!

 

帰りはヒッチハイク?

十分展望台を堪能して一路ソウルに戻る事に。

だけど行きは良い良い帰りは・・・何とかって言うけど…

帰りのバスが・・・1時間経たないとない…待てばいいじゃぁん!

でも、その後の汽車も1時間に1本ぐらいしかない事は予想がつく。

そこで、タクシーを頼もうかと考えた。…でも、どうやら往復分かかるので2000円する。

…で、道路でヒッチハイク…する勇気はない(^^

実は、バス便がないとわかった日本人3人グループが堂々と道路端で指を上げてヒッチハイクをしているのを見て、「やってみたい…」とちょっと思ったが、なんか不安もあり…

で…、下心ありありの作戦。

「すみません、金村に行きたいのですが…」とそばを通った観光客に尋ねる。

余り英語が通じなくダメかと思われたその時、その男性の年配のオモニ(お母さん)が現れ日本語で「バスはないでしょう…」と。「そうですか…」きゃぁ…しらじらしい!バスはあるけど、便がないことも知ってるのに。

「では、汽車の駅まで私たちの車で行きますか?」やったぁー!!! なんて親切な申し出。

待ってました…なんてもちろん言わない。「えー、ご迷惑ではないのですか…」()

ワゴンカーには子供を含めてすでに7人。私たち2人が乗ったせいで、ぎゅうぎゅう。

…で、結局このグループがソウルに帰る事を知り、ソウルまで乗せていってもらえた。ラッキー。

車中では、日本語を少し話せる(覚えている)オモニを中心に美空ひばりの歌が出たり、幼稚園の子供と英語で話したり(幼稚園で英語が話せる事自体驚きだったけど)楽しいひと時を過ごした。

こういうふれあいって、うれしい。

早速、帰国してから写真と北海道の韓国語ガイドを送付した。

日本人に対して悪い感情も持っている人が多い韓国だけど、こちらの接し方次第で日本人に親しみをもってもらえれば…と思う。

海外旅行中、日本語で話し掛けられる場合は、だいたい有料ガイドの申し出だったり、お土産屋に連れて行くのが目的など、よいことはないけど、こちらから接した場合はいつも親切にしてくれる人にめぐり合える。油断は禁物だけどね。

日本に旅行中の外国人に何か尋ねられたら、親切にしてあげようっと!

 

明洞はやっぱり韓国の原宿状態!

降ろしてもらった近郊の駅から地下鉄で「明洞」に。

以前来た時は、ここにホテルがあり、買い物には便利だった。さすがに人、人、人。

ロッテデパートの地下食品売り場なんて「のり、のり、のり」と日本語攻勢。

…で、「韓国のり」を購入。韓国のりといえば、味付け海苔なのだが、最近人気のあるキムチ味の海苔はなかなかGood! 免税店や日本人客目当てのキムチ店などで買うよりデパ地下のほうがかなり安い。

軽いのでお土産にはいいかも。

しゃれたお店も一杯あるけど、価格は日本の7-8割。セール品でも「100円ショップにありそう」

って思うと、ショッピングは余り関心なし。

ほんと、この「100円ショップ」の罪は大きい!!

以前は、東南アジアに行くたび「きゃぁ、マニキュアが100円だ! これかわいい100円ぐらいしかしない」ってバンバン買っていたのに、今では日本で売っている100円の品の方が品質もよくて、購買意欲激減。ふぅー。

 

夕食はサムゲタン

夕食は「サムゲタン」専門店、「土俗村」へ。

サムゲタンは、雛鳥丸一羽のお腹にもち米やいろいろな物を詰めてスープで煮込んだ韓国料理。

「白」は、普通の鶏。「黒」と呼ばれる物は、烏骨鶏。ちょっとグロテスクだけどこの「黒」を注文

でも、1つだけ!「小さいから、2ついる」という店員さんに「余りお腹がすいてないから1つだけ」

とお願い。…お腹はすいている。でも、情報によると「女性2人で1つ頼んで分けてもちょうどいい」

と。食が細い私たちにとっては1つを2人で分けて、ちょっと足りないかなぁ…ぐらいにしたい。

…で、正解! ちゃんと取り皿もくれて、山盛りのキムチセットもあるし。量もちょうど。

でも、日本でトンカツ屋入って2人いるのに「とんかつひとつ、とりざらも」って言えないですねぇ()

まぁ、高い方の「黒」1700円を食べたので許してもらおう!

 

どーしても欲しいんだって、キーホルダー

主人は3つだけ目の色が変わる買い物品がある。

1.時計(ブランドイミテーション品)

2.財布

3.キーホルダー 

この3点が露店で売られているときだけ足が止まる。どれにしてもたいした金額ではないのだけど、日本で買う気はしないらしく海外旅行で買う。今回のこだわり品は、シェラトンホテル内のカジノで配られるキーホルダー。この情報は、送迎ガイドが、「カジノに行きますか? ゲームをする時にこの券を見せるとキーホルダーがもらえます」と言って券をくれていた。

主人はカジノ自体にもちょっと興味はある。今までの経験では、オーストラリアでスロットマシーンをやったぐらいでマカオに行った時もぶらぶら覗いただけだが。揚々とキーホルダー目当てでシェラトンホテルへ。

お目当てのキーホルダーは、リッチそうな袋に入って各テーブルのディーラーの近くに置かれている。

 

しかし…、そうか簡単に手に入るものではなかった。

誰でも、もらえると思っていたのに、その券の裏に小さな文字で「50000ウォンをコインに両替した時」と書かれている事が判明。そんな事聞いてない…! ずるい…。

「じゃぁ、しょうがないねぇ…」と私。が…主人は諦められない。「50000ウォン分やる」と。

「えー! 5000円も出してキーホルダーもらうの?」「5000円ぐらいいいじゃない」「……」

こうなるといつもは消極的態度の主人が積極人間に変貌。堂々と日本語で、ゲーム台に行き「50000ウォン分」と。

「今、一杯です」きゃははは!! 座るところがないとゲームに参加出来ないらしい。

しょげる主人。無料のソフトドリンクを飲みながらも元気がない。でも、さっき入り口で預けたかばんの中にホテルでもらったソウルのガイドパンフレットが入っていて、確かそこにも「この券を持参の方はキーホルダーを差し上げます。ただし一人1個」と書かれてた事を思い出し、私一人で荷物を取りに。

この時点では余り自信はなかった。このパンフにも小さく50000ウォン以上交換時などと書かれていた可能性もあったので。…でも、何も書かれてなく、GET!!! やったー!

最大の収穫物を手に、意気揚揚とホテルに帰還。

朝ホテルを出てから15時間が経っていた。よく遊びました。はい!

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