ト ル コ 最 終 日
早いもので、とうとうこの日が来てしまった。
*日曜日は本当に店が閉まっている*
普通ガイドブックなどに、デパートやショッピングセンターは日曜定休日などと書いてあっても、観光地では、観光客用に開いている土産物屋だとか、レストランがあるものだと思っていたが…
「本当に皆閉まっている〜!!」と驚いてしまった。
昨日までの賑わいはどこへ行ったのやら。
飛行場に行くまでの間、もう少し御土産でも買おうとまたトラムに乗って、シルケジまで来たのに…。
(新市街の方まで行けば少しは開いていたかもしれないが…)
何も買えず、ホテルへ戻ってきた。 トルコ語の新聞だけ買えた。1万TL(13円)
一体、トルコの人は、いつショッピングを楽しむのだろう。平日仕事が終わった後なのだろうか?
それとも街をブラブラしながらショッピングを楽しむというのはトルコの娯楽ではないのだろうか?
イスラム教では、日曜日は安息日であり、家で家族とゆっくりしたり、お祈りをする日だとは知っているが…。
“稼ぎ時”に稼がないのでは、一体いつ稼ぐのだろうと思う。
しかし、よく考えると、日本が異常なだけかもしれない。
ヨーロッパ諸国でも、日曜日にはショッピングができないことも珍しくない。
個人的には、日曜日にショッピングができる方が楽しいし、便利だが、利潤追及のあまり、従業員の家族を犠牲にしても、正月元日まで営業する日本のスーパーはおかしいのかも知れない。
*タクシーで空港へ …*
チェックアウトした後、タクシーに乗る。空港行きのバスは新市街の方からしか出ていないし、荷物も重いのでタクシーで行くことにした。
フロントでいくらぐらいか尋ねると、大体100万TL(1,250円)ぐらいとのこと。
「エアポートプリーズ」と言って乗り込む。
ホテルの前から荷物を持ってタクシーに乗る外国人の殆どは、空港か汽車の駅なのだろう。
「インターナショナル?」「イエス」空港と言っても、国際線と国内線は離れているのでその確認。
英語の分かるドライバーでひと安心。いつものようにメーターを一応確認すると、初乗り料金の4万5千TLの表示があり、少し経つと、どんどん金額が上がっていった。
メーターがちゃんと動いていたので、あえて、「ミーター プリーズ」とは言わなかった。
「空港までどのぐらいかかるのですか?」
「道路の状況にも因るけれど、アウトバーンを通って最低20分。下を通れば全く分からない」
「飛行機の出発までどのぐらいあるの?」「3時間ぐらいあるのでお任せします」
そう!確かにお任せしますと言ったのは私。アウトバーンとは、高速道路だろうから、料金は高くなるのかもしれないが、下を走って、渋滞などに巻き込まれても困るので時間はたっぷりあったがそう言ったのだ。
なかなか、感じの良い運転手だと思ったのだが…
10分ぐらい乗った時、私の席からは、運転手さんの手が邪魔で、料金メーターが見えなかったので、主人に聞くと
「こっちも見えない!」
どうもおかしい!! 高速道路を猛スピードで走っているのだから、ギアチェンジも必要無い筈なのに、運転手の手が、ギアチェンジレバーから離れない。
料金メーターを隠しているとしか思えない。
しかし、“メーター見せて”と言う勇気もない。
暫くすると、運転手の手が動いた。そこで私たちの目に移ったメーターには、見慣れないアル
ファベットが並んでいるだけ!
“メーター止めたんだ! どうしよう!いくら請求されるのかなぁ〜…”
ベトナム最終日のハプニングが頭によみがえる。
出国管理官に、パスポートにいれてあったお金を盗まれたことに気付き、勇敢にも取り返しにいったあの事だ。
全然違う状況だが、ドキドキしている私の心臓は同じだとうなっている。
ホテルでは100万TL(1,250円)、ガイドブックには800円ぐらいと書いてあるのだから、それを大幅に越えていれば、主張しようなどと考えていた。
この間の5〜10分は、トルコに来て始めて不安に駆られたときだった。
ホテルから20分もしないうちに、空港に到着。
運転手からは何も言い出さないので、「HOW MUCH?」とこちらから聞く。
運転手もこちらの雰囲気を察していたのかもしれない。
「150万TL(1,880円)」
これを聞いて、ホットした。確かに、フロントで聞いた、1.5倍だが、30ドルとか言ってくるのではと思っていたからだ。
しかし、こちらに何も言わずに、メーターを止めたので、
「ホテルでは100万TLぐらいだと聞いたのに…」と言ってみる。
「アウトバーン経由は固定料金だ」と言う。
“それならば、初めからそう言ってくれてもいいのに…。
トルコのタクシーは全部メーター制だと思っていたのに…。アウトバーンと言っても、料金所なんか無いじゃないか!”と思う。
それよりも、あのメーターをずっと隠し続けた“手”が怪しくて、“アウトバーンで空港に行く場合は固定だ”と言い張る運転手の言葉には疑いを持ってしまった。(真実未だ不明)
しかし、固定だと言う以上、メーターも止まってしまっているし、少し高めだと感じたが、素直に払うことにした。手持ちのトルコリラでは足りなかったので、ドルを入れて、2,000円ぐらい渡した。しかし、運転手は不服そう。
“言われた金額より少し多く渡したのにこれ以上どうしろと言うのだ! チップが少ないと言う
のだろうか!”「固定料金なら、メーターを止める前に言うべきじゃないですか? 道路を選んだのはあなただし」と言ってみたかったが、
その前に運転手が、
「400万TLと言ったらどうした?」と、とんでもない質問をしてきた。
どういう意味があって聞かれたのかはよく分からなかったが、
「払えない…」と小さな声で言うと、「そうだろう」と言った。
と言う事は、客によって、料金を変えると言うことなのか?
荷物も降ろしてもらったし、お金も渡したのだから、これ以上話しても無駄だと思い、
「分かったわ、あなたの仕事のやり方が…」と言うと、運転手は、ちょっと、微笑んでタクシーの中に乗り込んだ。
本当に、150万TLの固定料金制だったのかもしれない。
100歩下がって好意的に考えれば もしかしたら、トルコのタクシーに安心しきっていた私たちに、
「メーターでお願いします」と言わなければ、“大変な目に遭うこともあるよ”、と教えてくれたのかもしれない。
*再びモスクワ経由で成田へ*
タクシーでちょっと嫌な感じも味わってしまったが、アエロフロートのチェックインカウンターの係員は、とても感じが良かった。
スムーズにチェックインも終り、預けた荷物3個(スポーツバッグ2個と玄関マット)の引取証を貰い、カウンターを離れようとすると、玄関マットを抱えた係員がきて、
「モスクワは危ないから、この絨毯は、機内持ち込みの方がいい」と言う。
“安物ですから”なんて、もちろん言わない。
安物だって私にとっては、トルコの大事な記念品。他の御土産は、殆ど配ってしまうのだからこの玄関マットが無くなったら イヤだ。
それに、“モスクワは危ない”ということにとっても共鳴できるからだ。
と言うのは、行きのに成田で預けたバッグはモスクワでは私たちは受取らず、翌日イスタンブールで受取ったのだが、その時、バッグに付けてあったクリスタルのマスコットが無くなっていた。
もちろん本物のクリスタルではなく、正確に言うと、クリスタルガラス風のプラスチックのマスコットだ。
100円ショップで買ったものだが、綺麗だし目立つので付けておいたが…。
プラスチックの部分が割れて取れてしまったのなら分かるのだが、ちゃんとキーホルダーの部分から無くなっている。
これはどう考えても人間しか外せない“2重輪”形式なのでとられたとしか思えない。
ガイドブックにモスクワ空港では、日本人の荷物が狙われるとよく書いてあるが、まんざら大袈裟でもないようだ。
今頃、私のクリスタル(風)タコちゃんは、どこにいるのだろう。
−モスクワの冬はさぞ寒いだろう−
玄関マットを抱えて、機上の人となった。
トルコ10日間の旅支払い明細
成田・イスタンブール間航空券代 モスクワ ホテル代 トルコ国内線→イズミール航空券代 4日間ツアー代 トルコホテル代(3泊分) トルコ空港税 成田空港使用料 自宅・成田間電車代 現地交通費 食事・飲み物代 観光入場料 お土産・その他(チップを含む) |
¥196,000.−(@¥98,000.−) ¥12,000.−( @¥6,000.−) ¥19,000.−( @¥9,500.−) ¥144,000.−( @¥72,000.−) ¥23,800.− ( @¥11,900.−) ¥3,000.− ( @¥1,500.−) ¥4,000.− ( @¥2,000.−) ¥5,640.− ( @¥2,820.−) ¥4,060.− ( @¥2,030.−) ¥10,910.− ( @¥5,455.−) ¥1,790.− ( @¥895.−) ¥25,800.− ( @¥12,900.−) |
合 計 |
¥450,000.- (@¥225,000.−) |
計算してみると、トルコでは2人で4万円しか使ってない。
正味8日間はトルコにいたわけだから、1人一日当たり¥2,500.−。
もし御土産を全く買わなかったら、この半分で過ごせたことになる。
いかに、日本の物価が高いかよくわかる。特に、公共の乗り物代が、トルコの5倍はする。
私たちは、現地にいるときは、現地の人と同じような生活をしたいので、日本に比べて安いという理由で、どんどんお金を使って豪遊することはしない。ホテルだけは、トルコの物価とは掛けれてしまうが、自分たちの足で探す時間がないのだからしょうがない。
グループツアーではなくても、そんなに高くない料金で、個人ツアーを組めることは嬉しい。
アヤソフィアで出会った、グループツアーでトルコ10日間周遊の旅をしていたおじさんの
「毎日移動ばっかりで、いろんな所に行ったのでもうクタクタですよ」
という言葉を思い出すと、やはり
「行く所を絞って良かった!」 と思う。
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